131日目
- 筆者
- 2022年9月3日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年10月10日
私は6:00頃起床。昨夜は2:00頃就寝。
奈津子は5:00頃起床。昨夜は21:00頃に鎮痛剤を服用し就寝。1:00頃、トイレに起き、鎮痛剤を追加で服用した。3:00頃、ホットパックをもらった。時折、痛みでぼんやりと目覚めるが、その後眠るということを繰り返したようだ。
今日は土曜日で、午前中は作業療法、午後は理学療法と言語聴覚という時間割だった。
作業療法は、ポポのことが好きな作業療法士が担当した。昨日のパンケーキ作りの疲労を勘案し、軽めの訓練にしてもらったそうだ。「痛み日記」のタイピング、テープ剥がし、アヤトリをした。いずれも手先の訓練だが、今日初めてしたアヤトリでは、手の形状を維持し、糸にテンションをかけ続けることが、意外と難しかったそうだ。その後、一週間前に検討を始めたポポのフードの形状を再考し、改めて型紙を起こし、鋏で切る訓練をした。
理学療法では、二十代の女性の理学療法士に、今回初めて担当してもらい、お菓子作りなど、話に花を咲かせることができたと奈津子。訓練のメニューは、昨日とほぼ同様だった。訓練後、毎分41回転で11分間、自転車のペダリングをした。
言語聴覚では、「ミッケ!」という写真絵本の問題を2つやり、正解したそうだ。他のクイズもやった後、先日作ったフィナンシェとパンケーキの話をしながら動画を見てもらったそうだ。「美味しかったよ」とその言語聴覚士に言われ、奈津子は嬉しかったらしい。
腕に少しだけだるさはあるが、大きな痛みが無く一日を終えることができて、奈津子は少しほっとしたそうだ。
「老い」とは何か。「コトバンク」によると、「恐ろしいことが少なくなること。過去が増えること。 動けるのに動かないこと。考えれるのに考えないこと。」とある。個人的に、母の日々の暮らしぶりを想い「なるほど」と納得する。
奈津子が入院して、洗濯をするようになった時、「洗剤や柔軟剤は、先回りして補充しておいたほうが、いいよ」「どうして」「お義母さんがね、違うの入れちゃうことがある」と奈津子に言われ、「めっちゃ、やりそう」と私もその危険を認識した。母には「詰め替えは僕がやるから」と言い、頻繁に詰め替え用のパックから補充していた。しかし、今日、奈津子の洗濯物を洗おうとしたとき、「やられた」と気が付いた。アリエールにソフランが混ざったものが、計量するキャップの中でドロッとしていたのだ。買ってきた詰め替え用のアリエールがモデルチェンジした後の物だったので、補充を躊躇ったのが災いした。自分で間違えた可能性はない。母に一応聞いてみるが、知らないという。
たぶん母は、補充したことを覚えてないのだ。そして、その時に「入れ間違えるかもしれない」ということを考えていないのだ。詰め替えは私がやる、と言っていたことも覚えてなかったことになる。こうしたことは、母と暮らしていると、ままあることではある。
「脳みそはもうない」「頭の中は空っぽだ」と母は言う。簡単に話を終らせる為に、口先で言っているだけだと思うが、「もう少し考えて」と私が言うと必ずこう言うのだ。
人のほとんどの臓器の機能は年齢とともに衰えるが、健康な高齢者は多くの脳細胞を失わずにいるそうだ。脳卒中になったり、アルツハイマー病などの神経細胞が侵される病ではない限り、脳細胞は加齢により大きく減らないのだ。少なくても「もうない」とか「空っぽ」ではない。
人間を含む動物では、老化のかなり前に記憶の悪化が始まるそうだ。徐々に神経回路のシナプス結合が緩んでいく。マイナスのシナプス可塑性により、脳内の神経回路のネットワークが徐々に粗くなっていくらしい。
粗くなると、記憶の書き込みや読み出しが、上手くいかなくなっていく。記憶は脳の中にあるのだが、それを活用できなくなる。きっかけがあると、思いだせる時もあるそうだ。ここで重要なのは、「忘れた」のではなく「引き出せなくなった」という点だ。残存する神経回路のネットワークから簡単にアクセス出来ない状況になった、と言えるのだと思う。
言い聞かせても、翌日、そのことすら覚えていなかったりする母だが、覚えていることもある。食べ物のことはよく覚えている。「まだ固いから預かっとくね」とメロンを預かっていたが、食べさせろと毎日言うのだ。その度に「まだ固いから」と言うのも聞かず、来る日も来る日も言う。1週間も経つと私も相手にするのに嫌気がさして、メロンを返した。硬いメロンを母は食べたんだと思う。
そんなメロンのことも、数日経つと多分忘れている。その年の初物を既に食べていても平気で「今年はまだ食べてない」と言ったり、ひどいと「私の〇〇を、どうして勝手に食べた」とか言いがかりを付けることもある。記憶がすっと消えたり、断片的になったりしてるんだと思う。
最近、冗談ではなく、母の方が私より長く生きていそうな気がしている。そして、身体的に健康を維持することも大事だが、せめて今程度の思考や記憶を維持し、人間らしく生きていて欲しいとも思うのだ。
![]() | ![]() | 最近、奈津子が汁物を食べる気になったので、以前よく作っていた野菜スープを晩ご飯に作った。残りを温め直して撮った。人参、玉ねぎ、キャベツ、インゲン、ブロッコリーの茎、豚バラ肉などが入っている。簡単なものだが、奈津子のお気に入りだ。 |
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奈津子の朝昼晩ご飯
お昼ご飯は塩焼きそば。晩ご飯は「すき家」の牛丼ミニと野菜スープ。
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