110日目
私は5:30頃起床。昨夜は0:30頃就寝。
奈津子は5:15頃起床。昨夜は21:30頃、鎮痛剤を服用し就寝。腕を伸ばして寝てみた。22:15頃、腕が痛くなり「作戦失敗」と思う。0:00頃にトイレに起き、すぐ眠れた。2:00頃に鎮痛剤を追加で服用し、ホットパックをもらった。1時間半置きに目が覚めていたので、睡眠の方法を再検討しなければならない、と奈津子。
奈津子が、最近、「お義母さんと会いたい」と言っていた。母に聞いてからと思っていたが、なかなかいいタイミングがなかった。今日のお昼ご飯のデリバリーの時、母に「奈津子が会いたがっている」と言い、車に乗ってもらった。病院の入り口で弁当の受け渡しを終え、奈津子の病室の外に車を止め、母としばらく待った。リハビリが終った奈津子は、しばらく母と話をして、嬉しかったのか少し泣いてしまった。
今日は「なにか、甘い子が欲しい」と奈津子がLINEで書いていたので、道中、ファミマで、「ファミマ・ザ・クレープ 生チョコ」と「生カヌレケーキ」を購入し差し入れた。
午前中は作業療法があった。おはじきを指で弾く練習をした。5指それぞれで行った。その後、本を両手で持ち、パラパラとページをゆっくり1ページずつ開く動作を、3回程度繰り返した。最後にPCで日記を書き直した。今日担当してくれた作業療法士はポポのことが好きで、「今度、ポポちゃん用のバンダナを作ってみたい」と奈津子に言ってくれたそうだ。楽しみにしているらしい。
午後、言語聴覚の時間、新聞に掲載されているパズルやクロスワードを解いた。その後、顔のマッサージをしてもらった。
理学療法では、肩のマッサージ後、ストレッチポールを使う予定だったが、痛みが走った為に中断し、再びマッサージをしてもらい時間が終了した。強張りが再度起きた場合、マッサージのやり直しが必要となると言うことだった。奈津子としては、肩と腕の痛みが一番ひどかった時に比べれば、2割くらい痛みの深さが和らいでいるという。「あっ、痛くなりそう。という察知能力がついてきたからだと思う」と考えているようだ。
関節注射から4日目で、また痛みが戻りつつあるのか。少し不安になる。バランスのいい緩和方法がなにか無いものか。ちなみにブロック注射は「麻痺が残る可能性もある」ということでダメらしい。今回受けた注射をまたするのも一つの方法だと思うし、複数個所へのトリガーポイント注射とかも、検討対象になるのだろう。
ロードスターは6速MT車だ。ブレーキングシフトダウンは、「ヒールアンドトゥ」と言って、つま先でブレーキペダルを踏み、踵(あるいは右足の右側)でアクセルペダルを踏み、操作をする。右足先でブレーキしながら、左足でクラッチを切り、右踵でアクセルを煽って回転を合わせて、左手でシフトチェンジし、再びクラッチを繋ぐ。4速、3速、2速とシフトダウンする度、同じ操作を繰り返す。1、2秒でシフトチェンジをするが、動作自体は体が覚えているので、足の動かし方を、いちいち考えたりはしない。
最近、私は奈津子の車の運転が上達したと思っている。ブレーキングシフトダウンも、ブレーキペダルを踏みながら、左手でハンドル裏にあるパドルをコンコンとノックすると4速、3速、2速と意図したとおりシフトダウン出来る様になった。車速とブレーキの踏み加減、パドル操作のタイミングが体に馴染んだのだ。空振りしたり、タイミングが悪かったりと、いろいろ失敗を繰り返して会得した。
奈津子の四肢の状態は、入院以降大きく変わっていない。神経回路の導通が悪いとか、使えていない筋肉が若干痩せたりしてはいると思うが見る限り、大きな変化はなさそうだ。もともと非力なのだ。機能回復訓練で、かえって筋力が増したところもあるのだと思う。
奈津子は左脳でやっていた右半身の制御を、今は、ほぼ右脳でやっている。左脳で持っていた体の動かし方の記憶がほとんどない状態から、学習を開始し、かなりいい状態まで持ってきている。「経験」と「学習」を重ねた結果だ。
同じ体なのだが、言ってみれば私が奈津子の車の操作に習熟するのと同じように、「やったことのない動作」をして、それを身に着ける。そういうことを奈津子はしている。ただ、学習の過程で、体自体、神経回路が整うことで状況が変わった。
肩や腕の制御と痛みに関しては、カンファレンスでも少し話があった。過渡的な学習結果が、現況とミスマッチしている状況なのだと考えられる。もし叶うのなら、ピンポイントで、そっと軽くリセットしてやりたいぐらいだが、そんなことは出来ない。やはり痛みを緩和し、動かすしかないのだ。
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リハビリ映像
奈津子の朝昼晩ご飯
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