36日目
私は5:10頃起床。昨夜は0:00頃に寝た。寝坊だ。奈津子が入院してから、3回程度しか目覚ましで起きていない。だいたいその前に目が覚めている。今日は目覚ましが鳴りそれを止めたものの、そのまま40分ほど寝ていた。
奈津子は6:30頃起床。昨夜は9:20頃就寝。0:00頃に起き1時間ほど起きていたそうだ。5:10頃一度起きLINEに「もうひと眠り」と書き込み、やはり二度寝していた。
奈津子の朝の顔、なかなかいい顔だ。やはり左口角、左目上、左目の大きさに左右差はあるが、朝の顔としては整っている。夕方にかけてもっといい顔になるといい。期待が持てそうだ。
奈津子が最近ベットから起き上がる時、右手でベットの柵を握り上体と起こすことが出来るようになったそうだ。ある程度まで引き上げたところで、左手でオーバーテーブルをつかんで安定した姿勢に持っていくという感じらしい。
昼ごはんのデリバリー。私はいつものように11:45頃病棟のある5階に上がった。奈津子から前日、この時間に廊下で歩行訓練をしているかもしれないと聞いていたのでその様子を覗きに行ってみた。女性の療法士2人と奈津子は長椅子に座って休憩していた。私は声をかけ療法士と2、3言葉を交わし、リハビリの様子を遠巻きに少し見せてもらうことにした。
50メーター程だろうか、広い廊下を競歩並みの速度で奈津子が歩いていく。足元にはスキーブーツ程の大きさの割とごつい装具。アウターシェルのない骨組だけの構造。足のサイズや足の太さが合わないのかタオルとか色々挟んで足を固定している。麻痺側の右足も結構な速度で回転させている。右足を上げているとき、たまにつま先がグラグラと左右にぶれていたが、着地までにある程度ねじ込み、蹴りだす時には真っ直ぐに戻しているようだった。
左右の足運びを同じ量、同じスピードにして歩くことで、股関節などの関節部の使い方を適正化したり、力のいる筋肉の耐荷重を上げたりすることを狙っているのか。詳しくは分からなかったが、奈津子は歩き終わると息を上げていた。色々気を付けながら一定速度で歩き切るのだから、体育会系ではない奈津子にはかなりきついメニューなのだろう。今後はこれをどんどん繰り返すらしい。続けることで奈津子の念じる「むむっ」とか、足先のブレとかが徐々に無くなると言うことなのか。この辺は私も勉強しないと分からない領域なんだと思う。
今日1日は奈津子にとってはハードな日だったらしい。奈津子は晩ごはんの時に「疲れました」とLINEに書き込んでいた。
奈津子の夕方の顔は思いのほかあまり良くならなかった。80点ぐらいか。バランスはまあいいのだが、個別に左右の差異を比べると、左眉毛、左口角吊り気味傾向がやはり見受けられる。昨日と比べると物足りない感じだ。
奈津子が晩御飯を食べ終え、家で色々片づけをした後に私は通話しながらビールで晩酌をしていた。病院の人と失敗談について話をしたんだと奈津子が私に教えてくれた。次に機会に備え、奈津子は自分の失敗談を考え用意しなければならないそうだ。奈津子は、エレベーターに載った際、ゴンドラと廊下の細い隙間にカギを落とし、エレベータシャフトの一番下に落ちていた鍵を施設管理の人に拾ってもらったことがある。そのことを一つ思い出したと言った。「鍵のアクシデントなら奈津子は後二つあるよ。車のリモコンキーを車内に閉じ込めたのと、羽田からこっちの空港に帰ってきたときに車の鍵を自宅に宅配便で送ってしまっていたこと」と私が言うと、「本当だね、それがあるね」と奈津子は嬉しそうに笑っていた。
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