30日目
私は4:30頃起床。昨夜は23:00頃に寝た。
奈津子は6:20頃起床。昨夜は22:30ごろ就寝、2:30頃トイレに行き、すぐ寝たそうだ。やはりあくび連発。
奈津子の顔は、昨日と同じ傾向。朝から目の腫れなどはない。眉毛付近が吊り上がり気味。左口角は朝、上がり気味。夕方、ほぼ解消。
主治医から、面談という形で奈津子と私同席で病状説明を受けた。奈津子にとっては初めて自らの診断画像を交えた病状説明だった。最新のMRIの所見は良好。血管の通りも悪くはなっていないようだ。各検査の結果、やはり原因不明。この辺りは以前と同じような説明だった。主治医はこの規模の損傷で、半身完全麻痺に近い状況から、このスピードで回復できているのは見たことがないと奈津子の機能回復ぶりを評価していた。この時期、指が個別に動かせているのも驚きに値するそうだ。でも、どこまで回復できるのか未知数。車の運転やPCが使えるようになりたい奈津子には、それが出来るかどうか気になっている様で主治医に質問をしていた。後のことはリハビリに向かって結果が出てから考えることになるという趣旨の説明だった。手は難しいかもしれないとも。方針として奈津子も私もそれはそう思っていたが、主治医的に安易に期待をさせるようなことを言いたく無かったのだろう。
主治医は仮説についての見識は持ち合わせていなかった。臨床的に意味があまりない、ただ顔が浮腫んでいるのがリハビリ中に重力で落ちてきたのではというような所見だった。だが、目が腫れるのは確かに考えられるが、浮腫んで眉や口角が吊り上がったりはしない。
この人の話をまともに聞かない態度は、私の予想どおりだった。現象を正確に把握しようとするのでもなく、「どんな文献をご覧になってこう考えられたか分かりませんが」と否定的に分析する。この主治医らしい反応だと思った。「ただ、奈津子の顔を見て考えたんだけどね」と内心思いながら、こんな医師に聞くんじゃなかったなと後悔した。
この仮説考察、私自身馬鹿なことやっているとは分かっている。だが、自らの病気や症状について幼いころからのその仕組み、機序を考え、観察する癖がついてしまっている私の性なのだ。奈津子は私にとって半身以上の存在。その状態を観察し、奈津子に今何が起こっていているのかを考えるのは、私にとっては当たり前のこと。
そして、こうして私なりに少し勉強して、リハビリの意味合いも、奈津子の大変さも理解できたことは無駄ではない。
もしこの仮説が正しくても、今の奈津子にとって益がある訳ではない。それも分かっている。ただ、私が観察者として観察結果をどう評価するのか、その裏付けが欲しかったのだ。あと、奈津子の顔が、左右差無く、より可愛いほうがいいと思うのは関係者皆同じはずだ。
いつかそのうち落ち着いたら脳科学者茂木健一郎のブログで質問してみようと思っている。
それは、もしこの仮説が本当であれば、奈津子のように機能回復が速いタイプの患者のリハビリのありようが見直される可能性もあるからだ。
仮説の脳幹の振る舞いが本当だとしたら、麻痺側の出力ゲインが下がっていることも考えられる。
そうなると、同じ訓練でも大脳と脳幹間の情報伝達で計算された電気的出力が脳幹の判断でゲインを落として麻痺側に流れていることになる。そうなると、同じ筋肉でも力の入らない状態になる。訓練の幅もスピードも落ちる。大脳へのフィードバックも減る。
一日のリハビリを始める前に、短時間の予備運動で優位判定をイーブン近くに持って行くことが出来さえすれば、その後個別の訓練をしたほうが得られる成果が大きくなるはず。プラスのシナプス可塑性への期待値は上昇するし、筋肉痛も減るのだろう。
でも、これは私の想像だ。そこまでである。
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診断画像
DWI 20220524 | | |
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